イーアス不動産

実例!借地は戻ってくる!?借地上の建物の大修繕によって、朽廃の扱いはどうなるか?

58 views
約 5 分

実例!借地は戻ってくる!?借地上の建物の大修繕によって、朽廃の扱いはどうなるか?

借地上の建物の朽廃による扱いが気になる人も多いのではないでしょうか。基本的に借地上の建物は朽廃した時点で借地権が消滅しますが、朽廃する家善に大修繕を行った場合の朽廃時期や主従がない複数の建物の一部が朽廃した場合の借地権の扱いはどうなるのかが大きなポイントです。

それでは、借地上の建物の朽廃による扱いはどうなるのかご説明しましょう。

大修繕を行う場合でも増改築とみなされる

まず大前提として知っておきたいのが、借地上の建物を修繕する場合、規模によっては増改築扱いになることです。借地上の建物を増改築する場合、増改築禁止特約に該当するので増改築を行うことはできません。

本来、修繕と増改築は全く別の意味を持っていますが、大修繕を行うということは十中八九増改築とみなされるでしょう。ここで言われる大修繕というのは、建物の耐用年数に大きく影響を及ぼす修繕を指します。

つまり、大修繕が行われなければ朽廃していたであろうということが大きなポイントになるわけです。元々大修繕は増改築と同義なので、わざわざ大修繕と表記する意味はありません。ここが借地人と地主が揉めやすいところでもあります。

最高裁判所が行った、地主の借地終了への期待を保護する判断とは?


本来であれば地主は朽廃時期を心待ちにしていますが、借地人としてはどうにかして借地が終了しないように建物を維持したいと考えています。地主が朽廃時期を心待ちにしているのは、借地権による負担がなくなり、土地が更地になった状態で戻ってくるからです。

しかし、これからご紹介するケースでは、増改築禁止特約がなかったために起こった裁判です。

今回の発端となったのは、契約の段階で増改築禁止特約がなかったために借地人が借地上の木造アパートに対し、無断で約2か月間に亘る大規模修繕を行ったことです。もちろん地主はこの修繕工事を承諾しておらず、以前から繰り返し工事への反対と異議の表明を続けていました。

工事を反対し続けたのは、大規模修繕によって耐用年数が大きく変動してしまうからです。地主にとっては大規模修繕さえなければ朽廃時期を迎えるだけだったのに、無断で工事が行われてしまったのです。工事の内容は、以下の通りです。

・基礎・土台の補強
・支柱の補強
・内装補強
・外装補強

これらの大規模修繕は増改築禁止特約がなかったとはいえ、地主の意向を著しく無視するものだったと言えます。

これを受けた最高裁判所では、地主の意向を重視して大規模修繕をなかったことにすると表明しました。これは、大規模修繕さえ行わなければ朽廃時期を迎えていたと推定されること、地主が工事を行う前から反対と異議を繰り返し表明し続けたこと、推定朽廃時期に借地権が消滅すると判断したためです。

これが、昭和42年9月21日に行われた裁判の結果です。

このことから、本来であれば借地権が消滅されることが確定しているにもかかわらず大規模修繕が行われて朽廃時期が変動するケースの場合、大規模修繕が行われなければ借地権が確実に消滅するものとして修繕工事がなかったことにされる可能性が高いでしょう。

もしも主従がない複数の建物の一部が朽廃した場合、借地権は消滅する?

結論から言えば、主従がないことが認められる複数の建物がある場合、全ての建物が朽廃しないと借地権は消滅しません。これは旧借地法2条1項但書によって定められているので、最大の焦点となるのは全ての建物が朽廃をしているかどうかです。

たとえばA、B、C、Dの4つの建物があったとします。

Aの建物は大修繕により、お風呂場やキッチン、洗面所やトイレの補修及び改造を行いました。
Bの建物は二世帯住宅にするための大改造、そして土台やキッチン、お風呂場などの大規模修繕を行いました。
Cの建物は雨漏りを防ぐために屋根の修繕を行いました。
Dの建物は老化を広くし、壁の塗り替え、外部下見板の張替え、キッチンや居間の大規模な修繕を行いました。

以上の4つの建物のうち、A、B、Dの建物は明らかな大修繕が行われたと判断されますが、Cの建物は大修繕を行ったとは言えないので、大修繕を行うことなく朽廃時期を迎えることができます。それ以外の建物は大修繕によって朽廃時期が変動しているため、旧借地法2条1項但書における借地権消滅の効力は発動せず、借地契約は終了しないものとなります。

まとめ

借地上の建物における朽廃の迎えるのは地主にとって待ち望んでいたことですが、大修繕によって朽廃時期が先延ばしになってしまうのは我慢ならないところでしょう。とはいえ、大規模と増改築は同義なので、もしも契約によって増改築禁止特約が定められている場合は無効となります。

また、増改築禁止特約がなくても、明らかな大修繕だと認められる場合は同じく修繕がなかったことになるので朽廃時期を迎えることができます。複数の建物の場合は全ての建物が朽廃するかどうかが焦点になるので注意しましょう。

Share / Subscribe
Facebook Likes
Tweets
Hatena Bookmarks
Pinterest
Pocket
Evernote
Feedly
Send to LINE
Top