60年代、70年代風のファッションやインテリアお好きな方も多いと思います。
マンションにも草創期(1960年~70年代前半)に建設され、根強い人気のある物件があり、「ヴィンテージマンション」と呼ばれおしゃれな住まい方が紹介されたりしています。
古いマンションは新築マンションと比べてかなり割安なので、その分のお金で好みのリフォームをしたいとお考えの方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、眺望の良いヴィンテージマンションを購入する時の注意点についてお話しようと思います。
ヴィンテージマンション
市街地にあるにも関わらず、陽当たり、眺望良好!なマンションが手頃な値段で売りにだされていることがあります。ちょっと古いけれど、室内を自分好みにリフォームすれば俺のヴィンテージマンションにできると興味をもちますよね。
ただし、うまい話には必ず裏があるので、注意すべき点を考慮した上で果たして購入して良いのかを考える必要があります。
建物に歴史があれば、建物をめぐる法律にも歴史があるのです。
既存不適格建築物とは
眺めが良いマンションはかなりの高さから周囲を見渡せ、採光、通風にも優れています。しかし、周囲に新しくて高い建物がない時は既存不適格建築物になっているおそれがあります。
既存不適格建築物とは建築・完成時の「旧法・旧規定の基準で合法的に建てられた建築物」であって、その後、法令の改正や都市計画変更などにより、現行法に対して不適格な部分が生じた建築物のことをいいます。
既存不適格建築物の原因となる主な法改正
建築基準法は1950年(昭和25年)の制定以来、よりよいまちづくりを実現するため改正を重ねてきました。
建物のボリュームにかかわる改正の主な改正は2つです。
1968年、建物のボリュームは都市計画法で定める容積率で規制することが原則になりました。その為、それ以前に高層化が進んだ市街地の中などで、後から導入された容積率をオーバーしている事例があります。
1976年、日照権訴訟が多発したため、日影規制が導入が可能になりました。導入前に建てられたビルの中には、日影規制の既存不適格になっている事例があります。
また建物のボリュームには大きくはかかわりませんが、宮城県沖地震を教訓にして1981年、耐震基準が大幅に厳しくなっています。
既存不適格で困る事
既存不適格になったマンションは建設当時の法令は守られているため、そのまま使用する事はできます。
しかし、建替えを行おうとしたとき、法令がきびしくなっているため、従来と同等のボリュームの建物を建築する事ができません。その為、マンションの建替えは大変難しいでしょう。
また、住宅ローンも建物に価値がないとみなされる為、借りられない事が多くなります。つまり、将来売却しようとした時、なかなか買い手がつかないことが予想されます。
市街地にあるにもかかわらず陽当たり良好な眺望の良いヴィンテージマンションを購入する時の注意点についてお話してきましたが、いかがでしたか?
注意すべき点を差し引いても、便利で眺めの良いマンションを自分好みにリフォームしたい方、現金!のある方、ヴィンテージマンションいかがでしょうか。