借地権問題

借地権上の建物を建て替えたい…地主の承諾を得る為に知っておくべき事とは!

パンダ
借地権上に建てたマイホーム。古くなってきたし、そろそろ建て替えをしたいなぁ…
イーアス君
年数が経過すれば、必ず家は劣化していくものです。
マイホームに快適に長く住んでいく為には、必要に応じてリノベーションをしたり、時には建て替えをすることもあるでしょう。
この際、あなたのマイホームが借地権上に建てられたものであるなら、注意が必要です。今回は、借地権上の建物の建て替えたい…地主の承諾を得る為に知っておくべき事についてお話します!

 

そもそも借地権上の建物の建て替えは出来るの?

まず、借地権上の建物を建て替えの可否について…。
旧法借地権や新法の普通借地権上の建物であれば、基本的には地主の承諾を得れば、建て替えは可能です!

地主との間で増改築禁止特約がある場合でも、地主の承諾を得られるならば建て替えは可能となります。
承諾を得ると言っても、すべてのケースにおいて承諾が必要な訳ではありません。
例えば、増築や全面改装など、延床面積に変更が出るほどの建て替えの場合は地主の承諾は必須となり、屋根瓦の補修や室内の壁紙の張替え…等、劣化部分を補修する程度であれば多くの場合地主の承諾は必要ありません。

また、もし定期借地権上の建物の建て替えを考えている場合、基本的には同じく地主の承諾を得れば建て替えは可能ですが、普通借地権と違って更新ができない契約ですので少し話が変わってきます。これについては、後日改めてご説明したいと思います。

建て替えの承諾を得るために必要なこととは

地主の承諾を得るにあたって必要となってくるのが、「建て替え承諾料」や「増改築承諾料」の支払いです。
この承諾料の金額に明確な決まりはなく、相場は建物をどの程度建て替えるかによっても変動しますが…

【建て替え承諾料】
木造(非堅固建物)の場合、更地価格×2〜5%前後
鉄筋(堅固建物)の場合、更地価格×8~12%前後

例えば借地人が、更地価格1000万円の借地上にマイホームを持っていて、建て替え(木造建築)をする場合、建て替え承諾料は20~50万円前後…ということになります。

【増改築承諾料】
かかる増改築費用の10%程度

例えば借地人が、増改築に100万円の費用が掛かる場合、増改築承諾料は10万円程度…ということになります。

…このあたりが目安です。

もし、地主の承諾をえられなかったら…

承諾裁判
もし、地主から強く要望が寄せられたり承諾して頂けないという場合には、裁判所に対し申し立てを行い、裁判所から地主に代わって許可を得るようにしましょう。これを「借地非訟」と言います。

借地非訟において、裁判所が判断基準とすることは…

・建て替えの申し出は、建物の劣化が原因であり、借地人の生活を守るという正当性があること
・そして、建て替えたとしても地主に不利益なことがないこと

この様な点が認められれば、多くの場合、裁判所から地主に代わる承諾を得ることができます。

ただし借地非訟は、建物の建設費用を支払った2カ月以内に申請しなければ手続を行うことができません。
また、裁判所が許可にあたって、借地権者から地主に対して一定の金員の支払を命ずることがあります。
何よりも裁判所が関わってくる程の状態になると、地主との関係が悪化する恐れもあるので、できるだけ話し合いで解決できるよう努めましょう。

イーアス君
いかがでしたか?
大切なことは、借地権者は地主への丁寧な相談を怠らない…ということかもしれませんね。
勝手に建て替えや増改築を行えば、最悪の場合は借地契約を解除されてしまう場合もあり、トラブルに発展しないように必要なプロセスを踏みながら進めていくことが大事です(^▽^)

以上、借地権上の建物の建て替えたい…地主の承諾を得る為に知っておくべき事をお話ししました!

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