なぜ既存不適格になるのか
家屋を新築する際には、クリアすべき法令が多く存在します。建築時に満たさなければならない事を定めた法律が建築基準法です。全ての新築家屋は建築基準法を満たさなければなりません。つまり現在ある家屋は建築当時の建築基準法を満たしています。しかし、ある時期以降に生じた地震や台風被害や火災やその他の様々な事件を教訓として、建築基準法は改訂がなされています。この事は、起こりうる将来の災害に対して、より高い安全性の家屋が供給される事を目的として行なわれる事ですので大変重要なことです。
ただ、この様に建築基準法が時とともに改定されていき変わる事で実際上困った問題が発生します。実は現在存在する家屋の安全性は建築基準法が変わっていったために一律同様の安全性を満たすものではない事です。この様な事情で、過去立てられた家屋で過去の建築基準法は満たすが、改定された新たな建築基準法は満たさない家屋が存在しますが、この様な家屋は既存不適格と呼ばれます。
増築とは
すでに建っている建築物の床面積を増やすことを増築といいます。増築には3種類、横に面積を増やす横増築と、階数を増やす縦増築、また、外観が変わらなくても内部に新たに床を造れば、増築となります。建っている建物に付け足す行為が増築だと考えてしまいがちですが、床面積を増やすことが増築の定義にあたるので、敷地の中で別棟を建てた場合も床面積が増え、増築と定義されます。
増築をする際の注意点
法の不遡及の原則に則り、この様な既存不適格の建物は違法状態でなないものの問題を含んだ建築物であると認識されています。この様な事から既存不適格の建物についての増築や改築を行う際には、増築や改築を行う部分はもちろんの事、その際の建築基準法に則り、もとになる建物についても適合する様に補強等を行なわなければならない事になっています。この様な事により古い建物であっても現在の建築基準法に適合する建物にする事が求められます。ただ、この規定には例外がありますので、既存不適格の建物の増改築を行う際には関係法令について十分な下調べが必要になります。