相続人多数

相続した不動産の共有持分だけの売却

メリットの少ない売却

結論から言うと、相続した不動産の共有持分だけを売却するという事は出来ます。
これは法令の範囲内において、自由にその所有物の売買をすることが出来る権利が個人にはあり、それは不動産の共有持分であっても同様だからです。但し、不動産全体の売却ということにはならないわけですから、実際にはほとんど買い手が出て来ないということが現実的なところということになるでしょう。出てきた場合でも実際の価値の一割から三割程度の値段でなければ買ってくれないというのが実情です。これは、部分的な買取ということになりますから、不動産そのものを所有することにはならないので、買い手としてはそれぐらいの価格にならなければ、購入するだけのメリットを感じる事が出来ないからです。

他の共有者の同意

共有ということは他の共有者の同意を得なければ、その不動産に変更や修正を加えるという事も出来ません。自分だけの持ち物では無いわけですから当然の事ですが、それだけ価値が低くなってしまうということになるわけです。ただ、共有持分の売却については他の共有者の同意を得る必要は無く、その部分のみを売却するという事は出来ることにはなります。

共有者へ売却するという方法

不動産の相続などにおいて、相続人多数の場合にはこうした不動産の共有という事がよくあります。ただ、こうなると持っている個人としてもあまり価値を感じる事が出来ないので、これを同様に相続をした特定の一人に売却をするということもよくあります。こうすれば、購入者が不動産を完全に所有することになり、他の売却した人達もその価値に近い金額で売却をすることが出来て、それぞれが納得する形での決着をすることが出来るというわけです。共有持分は誰に売却してもいいわけですから、この方法は法律上も何ら問題はありません。共有持分があると他の所有者との間で様々なトラブルが発生することも考えられるので、出来るだけこうしたスタイルでの不動産の所有の仕方というのは避けたいというように考える人も多いはずです。

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