マンションの既存不適格
昭和45年6月1日以前に設計されたマンションは、建ぺい率や容積率などの規定などはなく、絶対高さの指定だけが設定されておりました。その時は法律に則して建てられた物でも、住民の安全性などを考えて、その後法律が改正し以前よりも厳しい建築基準法が施工されることになり、現在の法律に適合しない既存不適格マンションというものが存在するようになりました。
建替えは難しい
既存不適格になっているマンションを建替えようとしたとき、法令が厳しくなっているため、従来の床面積より小さい建物しか建てることができない場合が多くなっています。そのため建替え後に取得できる住戸の床面積が減るばかりか、建替えにかかる建築費をまかなう事ができないという事が起こります。よって建替えに必要な合意が得られず、朽ちるにまかせるしかない状態に陥ることがあります。
これらのことを考えると、既存不適切マンションはデメリットしかないように感じますが、購入に際してメリットもあります。
既存不適格マンションの利点
一般に鉄筋コンクリート造のマンションの耐用年数は50年程度とされていますが、実際にはそれ以上の物件が問題なく存在しています。管理体制良好で、長期修繕計画がしっかりしているのであれば、美観も維持されていますし、必要な耐震や耐久性の補強工事を行われていますから安心して住むことができます。室内については自由度が高く、自由なリノベーションが施せる場合も多いでしょう。
また、既存不適格のマンションは住宅ローンを組みにくく現金で購入しなくてはならないというデメリットはありますが、それが故にマンション価格が同じ立地や広さである物件と比べてもかなり割安になっているので、短期的な費用面では大変お得でなのです。
そして、資産価値が低いので固定資産税評価額も低く設定されており、固定資産税評価額を基準に算出される固定資産税や都市計画税や相続税や贈与税も安くなるという税金の部分でもメリットがあります。
立地についても古くから開発されていたた地域にあるため、市街地の中心に位置するマンションも多くありますよ。
既存不適格のマンションは買いか?
既存不適格マンションを購入するのであれば、将来的に経済的な負担が大きくなる可能性ががあります。しかし、立地が良いマンションを割安で購入できるというメリットがあります。
ですから、長期改善計画が整っているのか、管理組合がしっかり機能しているかを考えれば、既存不適格マンションでも買いだといえるでしょう。